くるみさんの不運な一日
ちょっとだけ飲まない?って朱莉と一葉を誘ったけど、出張中だった一葉は無理で、来たのはおっさんのような朱莉だけ。


だからあたしの話を聞いてくれるのは、この、男とか恋愛とかに何の興味もない、未だ処女の朱莉な訳で。


「あんた、男出来る度にノロケるのはいいんだけどさ? あんたのノロケ、ノロケじゃないのよ」

「はあ?」

「ホラーよ、ホラー。もしくはミステリー」

「はああ!?」

朱莉相手じゃ恋愛話にならない。


朱莉は全然分かってない。


好きって気持ちがどういうものなのか、小指の先ほども分かってない。


恋愛ってものを分かってない。
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