くるみさんの不運な一日
「うん。1曲ハマってそこからファンになった」

「ハマったのって着信音の?」

「ああ。あの曲知ってる?」

「あんまり知らない」

「3年前に流行った歌」

「うん。それくらいだよね」

「初恋が忘れられないって歌」

「へ?」

CDラックから振り返った先。


彼はベッドに腰掛けて、「おいで」と手招きする。


そして近付いたあたしを抱き寄せ、


「くるみ、可愛い」

愛の呪文を口にする。
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