くるみさんの不運な一日
「は?」

「俺、女いるし」

「はあ?」

「責任取れだとか騒がれても困るんだよな」

「ああん?」

「だから水戸さんがそう言ってくれて、逆にホッとしてる」

「はああああん!?」

あたしの声なんてまるで聞こえてないって感じで、ベッドから立ち上がった天川智明は、


「シャワー、先に使うな」

当然のようにそう言って、さっさとバスルームに入っていく。


部屋に残されたあたしは何とも言えない、複雑な心境だった。
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