くるみさんの不運な一日
「おい!? どうした!?」

驚いた声を出した天川智明が、同じようにしゃがみ込もうとするのだけは阻止したいと思った。


「関係ないでしょ!」

最後の気力的なものを振り絞って叫んだら、天川智明は「は?」と怪訝な声を出す。


それがまた苛立ちを増幅させ、


「あっち行って!」

喚いたあたしに天川智明はもう何も言わずに去っていった。


床に着く両手にギュッと強く(こぶし)(にぎ)る。


天川智明に言われた言葉が頭から離れない。


悔しすぎて――吐き気がする。
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