くるみさんの不運な一日
そもそも唐揚げを貰う程の仲でもないし、こうして喋ったのだって今日が初めてで、それもこれも「あの事」があったからって理由だから、こうして話してる方がおかしい訳で、


「もう関係ないんだから話し掛けないでよ」

ツンと、自分でも憎たらしいと思うような態度に出た。


……のに。


憎たらしさ全開の態度だったのにも拘わらず。


「別に普通に会話するくらいいいだろ」

天川智明は物凄く冷静に口を開く。


まるでツンケンしたあたしが子供だって言わんばかりに、俺は大人だぜってアピールするかのように、


「同僚なんだし、知らない仲でもないんだし、会って話さない方がおかしくねえ?」
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