くるみさんの不運な一日
それが社会人であり、会社勤めだ。


――なんて、自分に言い聞かせて庶務課を出ると、すぐ更衣室にタオルを取りにいった。


もうマジでやる気にならない。


出来れば早退してしまいたい。


だけど早退したところで、家でウジウジしちゃうなら、まだ嫌々でも仕事をしてた方がマシなような気がしないでもない。


全部天川智明の所為だけど。


何もかもが天川智明の所為だけど。


天川智明さえいなければ、こんな事にはならなか――。


「水戸さん!」

「…………」
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