くるみさんの不運な一日
「あら、奇遇。あたしも忙しいんです」

「庶務課の水戸さんが手続きしてくれれば早いと思うのは俺だけ?」

「そうですね。そう思うのは天川さんだけですね」

「…………」

「あたし今からとっても重要な仕事があるんで、天川さんの名刺に構ってられないんです」

「重要な仕事?」

「この会社にとって、とっても重要な仕事です」

「え?」

「あ、詳しくは言えないんです。ごめんなさい」

「は?」

「という訳で失礼します」

「へ?」

「3つ目のドアですよ。お忘れなく」
< 98 / 247 >

この作品をシェア

pagetop