イミテーションラブ
いつものように田崎は唇に軽くキスをすると、そこから私の真意を探るように深く絡めとる。
全ての気持ちが田崎に向かうように、私を深い底なし沼へと引きずり込んでいく。

そして、そこから逃れられないように、私の精神も身体も田崎に無しではいられなくする。
私も自分の気持ちを伝えるように田崎の行為に答えていく。
一緒にいたい…
このまま田崎のそばにいさせてほしい…
そう自分に言い聞かせて、先延ばしにしてしまうと分かっていても、私を離さない田崎の腕に胸にと、強く抱きしめられてしまう。

長い夜を過ごし、田崎に抱きしめられ、もうどうしようもなく好きになってしまっていた自分がいた。
目を閉じて眠っている田崎の顔を盗み見しながら、そっと唇に触れる。
気持ちが溢れてしまい「…すき…」と抑えていた言葉が思わず漏れた。

その言葉に反応したのか、いきなり目がパチっと開くと田崎の目と合ってしまった。

視線を合わせたまま時間が止まったように感じた。
「マジか…」

長い沈黙の後、そう言って田崎の口元がニヤけた。
「好きって認めたな!」
抱きしめていた腕に、さらにキツく抱き寄せられて私に再びキスをする。



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