イミテーションラブ
これからの私達
朝の日差しがカーテン越しでも眩しくて、目が覚めてしまった。
ふと横を見ると、眠る田崎の顔があった。
まだ少し早い朝の時間。
田崎を起こして、自分の家に一旦戻るのか聞かないといけないけど…
そう思って本人に聞くと「…大丈夫…」と眠そうな返事。
とりあえず朝ご飯を用意しようとベッドから起き上がろうとしたら、腰に置かれていた腕に引っ張られて、眠ったふりをしている田崎の胸元に戻される。
「おはようのキスハグしてから起きること!」
「…今までそんなことしてないよね?」
私がそう言うと、いきなり実行に移す田崎。
ハグとキスを同時に奪われてしまった。
昨日からの態度が急変して、今まで見せてこなかった甘々の田崎に戸惑ってしまう。
朝ご飯を食べてから一緒に出勤した私達は会社に着いてからそれぞれへの部署へと向かう。
今日は一緒にランチをすることになりそうだ。

いつもはお弁当にしていた私だったけど、一緒にランチに行くのも、お弁当を二人分作る日があってもいいなと思った。
お昼の時間は久しぶりに広瀬さんと英里奈先輩と一緒に過ごす。
…ふと広瀬さんを見る。
数ヶ月前は好きだった広瀬さん。
今は二人を見ても、憧れの気持ちと二人セットで見ている自分がいて、恋心も嫉妬心も微塵も無い。むしろ楽しく過ごさせてもらっていると思う。

それよりも田崎への気持ちの方が私を振り回していて、嫉妬心も不安も掻き立てた。
好きな気持ちを見ないふりをして、田崎からの愛情ばかり確認していた自分。
昨日は私の気持ちがバレて、田崎もそれに答えてくれたけど…
…ただ肝心の、田崎と同じ部署の女の人のことは聞けてない。

知りたかったら帰りによればと言っていた…

その言葉を素直に受け取ろうと思った。


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