イミテーションラブ
実際に他部署ながらも、私が田崎とお昼を過ごしていたのを知っている人は何人もいた。
自己紹介すると「田崎の彼女」としてなぜか知れ渡っていたから。

照れくさいけど、すごく嬉しい…

楽しい時間を過ごしながら、私と田崎は時々二人の関係を確かめ合うように、お互いを見つめ合って微笑んだ。

田崎の上司がそんな私達の様子をみて「…次は、お二人さんかな?」と、冷やかす。

「その時はご祝儀、期待してます!」
田崎が私の肩に手を置き、抜け目なく切り返す。

分かった分かった!と上司は片手を振り、当てつけられた!と言って離れていった。

「…なあ、これで安心した?」
コソッと耳打ちされ、戸惑いながらも頷く私。
「…俺はお前しか見てないから…」
そう言って、田崎は私の手を取り後ろで手を繋いぐ。

誤解も解けて、田崎の彼女と紹介されて…
私は気持ちが満たされて一杯になり、
指の先だけじゃなく心まで暖かくなった。



2019/11月 完成

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