愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
やっぱり狭くて寝不足なのか、直ぐに寝息をたて始める彼を横目に静かに寝室を出る。
お願いする荷物を固めて、大きなカバンを肩にかけタクシーで会場に向かった。
会場は既にステージの準備が着々と行われていてピリピリとした雰囲気に包まれている。
「あ、東雲先生!明日の演出の件で詰めたい話がありますのでこちらへ。」
関係者に声を掛けられ、顔を引き締めて後をついて行く。
「はいっ、、!今行きます。」
現場に着いていったことがなかったが、こんなに大変だなんて思わなかった。
矢継ぎ早に指示を求められ、働かない頭で必死に本番のショーを思い浮かべる。
やがて遅れて彼が会場入りして、今度はリハーサルが行われていく。