愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
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必死に叫ぶ女の声には振り返らずに背を向けて、その場から離れた。













本当、馬鹿な女。


どうせ〝ShinonOme〟の人間ってだけで大した実力もないデザイナーだろう。

今まで公にでてこなかったのが、いい証拠だ。







それなのに、、、、久しぶりに会った仁は、あの女の事を話す時に穏やかな表情をしていて正直驚いた。



そしてモデルのプロである自分に、あんな女の為に頭まで下げてきた。

あいつが誰かのために頭を下げるなんて、、今まで考えられなかった。



俺のように最愛の人間に裏切られるような、そんな思いをさせたくない。

ただでさえ、愛のない環境で育ったあいつに追い打ちをかけるかのような愛のない契約結婚。












仁が大切?



ふざけるな。

ただ道具のように利用しているだけだろ。

あいつのどこか諦めたような表情をみるのは、もう懲り懲りだ。



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