愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~


ただ、初めてあの女を見かけた時の表情が少し前の仁に似ていて忘れられない。



寒空の下、嬉しそうに微笑みながら雪に手を伸ばしている姿がロビーの中から見えた。









その横顔は、儚くて綺麗だと思った、、、。


まさかその女が〝ShinonOme〟の専属デザイナーだったとは知らなかった。



同じ会場で他のブランドの服を着てショーに出たことはあるがあんな小さくて目立つ女、見たことは一度も無かった。












だから〝あいつは才能がある〟と言っていた仁の言葉をイマイチ信用していない。


自分の目で見たものしか信じない。

明日、その才能とやらは見せてもらおうか。







不敵な笑みを浮かべながら、会場を後にした。




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