愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
「そんなわけないだろ。今日はコーヒーだけ飲んでいくから用意しておいて。」
「にっっっがいヤツ準備しておきますっ!」
ムキになって言い返すと、ふっと笑ってそのまま浴室に向かって行った。
その姿があまりにもかっこよくて、暫くボーッとしていると気づけばいい時間になり、慌てて準備を始める。
化粧っけのない顔にファンデーションを乗せて次々とメイクを施していく。
そしてこの日の為に、自らデザインした服に袖を通した。
鏡の前に立ち、くるっと一周チェックする。
万人ウケする女性ファッションのデザインは、得意ではないが自分のような小柄な体型に似合うデザインなら、納得いくものが書ける。
戦闘服に身を包み、しっかりと化粧をした普段と違う自分を見つめる。
ほんの少しだけ自信が出てた。
よしっと気合いを入れて鏡の前から離れ、コーヒーの準備を始めた。
すると丁度、浴室から彼が顔を出した。