愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
慰めて欲しいではなく、子供が欲しい。
はっきりそう言われ、もしかしたら真澄も少しは特別な感情を抱いているのではと思ってしまった自分が馬鹿らしく思えた。
一層、壊してやろうと思った。
でもいざ触れれば、真澄の甘い声に身体が震える。
大事に抱きしめたくなる。
余りにも小さく儚げで、無茶苦茶にしてやりたいのに加減をしなければと理性が揺さぶられる。
とんでもなく悪女だ。
男の本能を引き出す術を持っている。
これを無自覚にやってのけるのならば、ほんとにタチが悪い。
こんなにも真澄の魅力にどっぷりとハマってしまって抜け出せない。
それでいて、あの才能。
今まで、よく引きこもっていれたな。
本当にあいつなら、大概の男は落とせただろうにと思う反面、白羽の矢が自分に立って心底ホッとしている。
爺さんや婆さんの代まで長身でいた事を、感謝せずにはいられない。
ついでにあんな両親にも、、、、。
真澄と別のベッドに入って目を閉じるが、真澄の甘い匂いが鼻をかすめて眠れない。
湧き上がる熱を下げようと、仁はまたシャワーを浴びるのだった。