愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
最終チェックを終え、会場から出ると玄関に見える小さな影。
近くにつれ両手を擦り合わせながら、壁に身体を傾けている姿がはっきりと目に映る。
こんな寒空の下、待っていたのか?
女が声をかけてきてからもう随分と時間は経った筈、、、あれからずっと?
良心が痛み、顔を歪める。
「おい、言ったろ?ほか当たれって。こんな真冬に外で何時間も待ってたら死ぬぞ。俺の所為で人が死んだなんて気分が悪い。」
通りすぎながら女に声をかける。
すると女は嬉しそうに顔を上げた。
「いいえ、こんなの大した事ありません。貴方から良い返事を頂けるまで何時間でも待ちます。私、しつこいんです。」