愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
優しくされたら勘違いしそうになるから。
仁の性欲のはけ口でいい。
身長がありすぎる為、覆いかぶされると見えるのは胸部と腹部の間らへんで、本来恋人同士がする見つめ合ったり、キスを交わしたり、お互いの表情を伺うことが出来ない。
仁の表情が、見たいような、、、見たくないような、、、そんな気持ちと葛藤する。
歯を食いしばり必死に痛みと快楽の狭間で揺さぶられる。
シーツを握りしめても、自分の爪が手のひらに食い込む。
「まだ、、、痛むか?」
そう言って、仁の大きな手が優しく拳を包み込む。
背中に仁の温もりが、はだけたシャツの隙間から直に伝わって涙が出そうだった。
こんな自分にでも優しい。
この痛みは、こんな卑怯な自分への罰だ。
行為が終わると彼の大きい身体に包み込まれる。
「、、、抱き締めてやるって、、、言っただろ。
今日はこのまま寝ろ。」
「、、、、、、うん。」
とっくんとっくんと仁の心音が聞こえ、そのままゆっくりと目を閉じた。