愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
さらけ出す想い
ご機嫌で生地を手にマンションに帰り、靴を脱いでいると人の気配に気づく。
顔を上げると、廊下の壁に体をもたれかかった彼がこちちはを見下ろしている。
「あ、仁さん只今戻りましたっ。見てください!凄くいい生地見つけたんです。ほら、、これっ、、、!手触りも凄くいいでしょう?」
ニコニコしながら生地を目の前に突き出すが、興味がないようで反応しない。
よく見ると眉間に皺が寄っていて、凍りつく程冷たい表情。
「ご機嫌だな。そんなにいい事があったか?」
耳に響く低い声。
ただよらぬ雰囲気に躊躇しながらも、彼に笑いかける。
「はい、、ありました。ほらっ!この生地、新しく入荷してて、そ、それから!分かり合えて嬉しかった事があったんです。少し誤解していて、いざ話してみたらとっても素っ、、、、!?」