愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
家に帰って冷静になって分かった。
彼には完全に拒否され、海生という男にはからかわれたんだ。
男性経験が全く無いわけじゃないが、ほぼゼロに等しい。
紙と鉛筆が友達のように過ごしてきた。
母や姉のように美しい容姿でも無い自分は、恋愛など遠い存在だった。
モデルだった姉は、現場でいろんな素敵な人間に会う機会が多かったろうが、基本的にそういう現場には顔を出さなかった。
1人違う自分の容姿が恥ずかしかったから。
そして〝ShinonOme〟が恥じないように。
影の存在として過ごしてきた。
気配を消して、ひっそりと。