愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
外が暗くなっても、来ない仁に少しはソワソワし始めた頃に鍵の音がして玄関に駆け出す。
俯き気味の彼が入ってくる。
「っ、、、!仁さん、、今日はお時間を作って頂きありがとうございます。」
「あぁ、そういう約束だったからな。で、そのサンプルはクローゼットか?」
彼はそのまま顔を上げる事なく、淡々と答える。
そして靴を脱ぐなりクローゼットへと向かう仁に、切なくなり後ろから無言でついて歩く。
掛けていたいくつかの新作サンプルをじっと見つめて、優しそうに目を細める。
「あぁ、、いいな。」
その姿に嬉しくなって声をかける。
「着てみて頂けますか、、、?」