愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
無言で袖を通す仁をドキドキしながら、見守る。
一度遠目で全体を見て針を取り出し、最後の調整をして仕上げていく。
やっぱり彼は、何を着ても似合う。
「他にもありますのでそれもお願いします。」
全部着終わって、今後の打ち合わせを始めた。
ショーをするのか否か。
勿論、彼が出てくれればの話だ。
「、、、どうしましょうか?私としては、規模は少し小さくしてでもショーをしたいですね。もしくは何処かと合同のファッションショーでお披露目するとか、、、どうですか?」
「、、、例えば〝Yj〟とかか?」
ようやく口を開いた彼だったが、その少し棘のある言い方にもしかしたらあの雑誌を仁も見たのかもしれないと思った。