愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
頭上から聞こえた言葉に、更に涙が流れる。
優しい仁の提案。
仕事の責任感から出た言葉で、特に意味なんてないだろうがこの新しい服を発表するまで夫婦で居られる。
「はい、、、。それは大変助かります。あくまでも仁さんをイメージしてデザインした服ですから、勿論仁さんに着て欲しいです。えっと、、、これは私からの提案なのですが、、差し支えなければ仁さんはこのまま此処にお住まい下さい。やっぱり私が住むには何かと不自由でして、、、。でもっ、、!折角良くしてくださったオーナーさんにもこんなに早く出て行くには申し訳なくて。この部屋、賃貸じゃなくて購入もできるそうなので慰謝料として買い取らせて下さい。」
「別に慰謝料とかいらない。金には困ってないって言っただろう?」
「いえ、そうさせて下さい。じゃないと私の気がおさまらないですから!!申し訳無いのですが、新作発表までには出て行きますのでそれまで私を此処に置いてください。」