愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
何人かのスタッフに背中を押され、外に出される。
そして停まっていたタクシーに無理やり詰め込まれる。
「あ、、、でも皆さんにご迷惑を、、、。まだまだしなきゃいけない事もあるのに1番に休むだなんて、、、、。」
「東雲先生!私達を信じて下さい!!!明日の本番、驚かせて見せますからっ!!」
力強いスタッフの言葉に、素直に頷く。
「、、、すみません。それではお言葉に甘えてお先に失礼します。後はお願いします。」
何度も頭を下げて、会場を後にする。
タクシーの中で座席に体を預けて目を閉じる。
結局、彼の姿を見る事も、 会話する事を出来なかった。
夫婦として残された時間はあと1日。
こうして静かにおわっていくんだなっと思わずにはいられなかった。