愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
俺にに出しに行けという事か?
何処までも踏みにじってくれる。
本当は離婚なんてしたくなかったが、あんな悲痛な声を出されたらそうせざる得なかった。
でもまぁ、確かに妊娠初期の大事な時期にそんな嫌な役目をさせるのも確かに気がひける。
隅の方に固めてある荷物を車に乗せ、指定された時間に会場へ向かう。
既にスタッフは、慌ただしく準備に追われていて部屋へと荷物を運ぶ。
ドアを開けて、最初に目に付いたのは久しぶりに見る小さな後ろ姿。
それだけで胸が切なくなる。
早めに来て打ち合わせをしていたのだろう。
振り向く事なく、スタッフと話を詰めている。