愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
声を掛けると、一斉にスタッフに囲まれ背中を押されて部屋を出る。
直ぐにステージに上げられ、ライトの細かい調整をしていく。
噂どおりに力の入ったセットに驚く。
これなら確かに此処を選んだ事にも納得する。
会場一杯に造られたランウェイ。
それをかなりの台数のライトで照らされ、まるで別世界だ。
何度か休憩を取り、私服で本番さながらにそのランウェイを歩く。
こうやって真澄と仕事をするのが最後だと思うと、ついいつも以上に念入りに歩く歩幅や角度をチェックしてしまう。
〝ShinonOme〟の専属モデルとして手放すのを後悔させるくらい最高のショーにしてやる。
そう意気込んでいた。