愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
観客席にスタッフと混じって知った顔を見つけて、思わず休憩をとった。
そしてその人物の元へと向かう。
「お疲れ様、、気合い入ってるね?忙しいんだろうけどちょっと顔貸してよ、、仁。」
久しぶりに見るその笑顔は、長年つるんでいたから分かる。
目の奥が笑ってない海生の表情。
「、、、あぁ。」
そう言って誰も居ない部屋に向かう。
向かっている間は無言。
実際、何度か連絡はあったがあえて電話には出なかったし、返信をしなかった。
あの日の嫉妬をぶつけてしまいそうで。
わざと海生と会う事を避けていた。
まさか海生の方から、わざわざ会いに来るとは思っていなかった。