愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
あれを取りにいかなければ。
そう思った途端、身体の震えは止まりマンションの非常階段へと向かっていく。
すると急に手首を掴まれた。
「っ東雲さんっ、、?!何処へ行くの?!?!もうこのマンションには誰もいませんよっ、、、!?全員外へと出ています!!これ以上近づくと危険ですよっ!!!」
「あ、、オーナーさん。でも私、、、行かなきゃ。あの部屋に大切なモノを置いてきてしまったんです、、、。どうしても、諦められないんです、、、、!」
そう言って、自分の出せる精一杯の力で、掴んでいる手を振り解こうとする。
それに驚いたオーナーを見事に掻い潜って、その隙に非常階段へ駆け出す。
「東雲さんっ、、、!」
後ろでオーナーの叫び声がしたが、そんなもの耳には入らない。