愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
もしかして、、これは夢でも見ているのだろうか、、、都合のいい夢を。
会いたくて、、仕方なかった仁が目の前に立っていて、現実な気がしない。
神様が最後に合わせてくれたのだろうかと、幻に手を伸ばすと力強く引っ張られた。
そして濡れた服の感触が直に伝わる。
素早く口からハンカチとタオルが抜き取られ、代わりに濡れた服で口元を覆われる。
すると途端に呼吸が楽になり、これは幻ではないと分かった。
煙と炎に包まれつつある部屋から、救い出され仁に抱えられたまま階段を駆け下りていく。
マンションの下には、消防車と救急車が数台止まっており、すぐさま救急隊員が駆け寄る。
「大丈夫ですかっ!?分かりますか?」