愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
「、、、最初から大切なものなんてないと、私は思うんです。そのモノへの思いとか思い出とかそういったものが強くなっていって初めて大切なものになるのかなって。家族を失って、守るべき大切なものは〝ShinonOme〟だけだと思っていました。、、、でも今は沢山ありますよ?、、その服だってそうです。他人には大した事ないものでも、私には違うっ、、。仁さんと夫婦になって、、、初めて2人で作り上げたモノ。そして、、、お腹の子もそう、、。初めは凄く驚きました。でも〝ShinonOme〟の未来がどうとかそういうのではなくて、ただ単純に嬉しかった、、。それが検診に行く度、愛しさに変わって会えるのが待ち遠しくて、、、、物凄く、、大切だって思うんです。」
お腹を撫でながら、言葉を続ける。
「、、、仁さん、、は、、?どうして、、危険を犯してまで助けに来てくれたんですか?どうして、、自分の子じゃなくても、、愛せるって思えたんですか、、?」
静かに耳を傾けてくれていた彼。
本音を聞くのは、、本当は怖い。
ぎゅっと目を瞑り、下を向いて彼の言葉を待つ。
「そんなの、、お前が大切だから、、、好きだからに決まってるだろっ、、。真澄が好きだ。今は気持ちがなくてもいいから、俺もお前の大切なモノに入れてくれないか、、?時間がかかってもいい。その腹の大切な命と一緒に家族になりたいんだ。」