愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~

そして長々と新作の魅力を語ってくれた。

その姿を画面を通して見て、驚きで止まっていた涙が再び流れ落ちる。




こんなに幸せものでいいのだろうか、、、。

一晩眠ったら夢だった、、なんて事はないのだろうか。






止まらない涙に、診察中だった医師も困り果てて静かに部屋を出て行く。

代わりに彼が入ってきて、ベッドの近くに置いてあるパイプ椅子に腰掛ける。









「、、、延期にしようか迷った。お前も目が覚めない状態でデザイナー不在の中での新作発表なんて前代未聞だろ。だが注目度のある〝ShinonOme〟のショーが延期となればきっと良からぬ方に騒がれると思った。それならそのまま強行した方がいいとスタッフと決めた。お前には悪いと思ったが、妊娠の事も発表した。、、、、マズかったか、、、?」



少し申し訳なさそうにボソボソと呟く彼の大きな手を握る。

< 317 / 330 >

この作品をシェア

pagetop