愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
そして長々と新作の魅力を語ってくれた。
その姿を画面を通して見て、驚きで止まっていた涙が再び流れ落ちる。
こんなに幸せものでいいのだろうか、、、。
一晩眠ったら夢だった、、なんて事はないのだろうか。
止まらない涙に、診察中だった医師も困り果てて静かに部屋を出て行く。
代わりに彼が入ってきて、ベッドの近くに置いてあるパイプ椅子に腰掛ける。
「、、、延期にしようか迷った。お前も目が覚めない状態でデザイナー不在の中での新作発表なんて前代未聞だろ。だが注目度のある〝ShinonOme〟のショーが延期となればきっと良からぬ方に騒がれると思った。それならそのまま強行した方がいいとスタッフと決めた。お前には悪いと思ったが、妊娠の事も発表した。、、、、マズかったか、、、?」
少し申し訳なさそうにボソボソと呟く彼の大きな手を握る。