愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
暫く無言でテーブルを見つめたのちに、ペンを持ち書類に記入していく。
女の方の籍に入るとなるとかなり手続きに時間がかかりそうだ。
「、、、これでいいか?」
印鑑も無ければ、役所に提出する書類もこれだけじゃ済まない。
しかし記入したのは、この条件を飲むという意思表示。
「ありがとうございます。本当に、、、ありがとうございます。」
涙は流さないものの、目は真っ赤だ。
そして何度も何度も頭を下げる。
その日はこれでお開きになった。
こんな形で結婚するなんて想像もしていなかったが、これはこれで面白そうだと思った。