愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~








「お前、、他に親戚いないのか?」

「父は一人っ子で、母は妹さんが1人ですね。でも叔母さん家族には子宝に恵まれずに、年頃の人間は私独りです。」

「ならその叔母さん家に一緒に住めばいいんじゃないか?仲が良くないのか?」

「いいえ、とても良くして下さいますよ?家族の葬儀や手続きも全てして下さいましたから。、、、一緒に暮らそうと誘って下さいましたが、私がお断りしたんですよ。」







困ったように微笑む女。

そんな女に問いかける。










「それは、、、なんでだ。」

「決心が鈍らないように、、ですかね。これは私の使命で、私が生き残った意味だから。」







真っ直ぐに強い目をして遺影を見ている。




「、、、なんてっ。重い話をしてしまってすみません。山下仁さんは食事はお済みですか?冷蔵庫には何も入ってないので、買い物をしてきます。良かったら一緒に作りますよ。」


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