愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
近くに停め、役所に向かうが足のリーチが違いすぎてどんどんと2人の距離が遠のく。
終いには追いつこうと小走りで後ろから追ってきだが、全く追いつきそうにない。
仕方なく溜息をついて、立ち止まる。
本当にこいつの夫婦としてやっていけるのか?
育った環境も、住んでいた世界も、考え方も、全く違って、こんなにも身長差のある人間が共に生活を共有する。
子供が産まれたら、別れていいと言っていた所を考えると愛はいらないようだ。
それが何故かモヤモヤする。
愛されて育ったあいつとと愛されずに育った自分。
普通だったら育った環境の影響で逆の考え方の筈だ。
愛なんて所詮幻想で、直ぐに気持ちは無くなる。