愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
今だってそう思っているのに、何故イライラしてしまうのか。
その答えが思い浮かんで、乾いた笑いが出た。
「馬鹿か。、、、そんなわけない。知り合ってまだ3日だぞ。」
「なにが、、馬鹿なん、、ですかっ、、?」
いつのまにか追いついたあいつが息を切らしながら声を掛けてくる。
「なんでもない。、、、もっと早く歩けないか?待ちぼうけ食らうのは好きじゃない。」
ぶっきら棒に答え、手首を握った。
「さっさと歩けよ。」
戸惑うあいつを引きずって、役所の中に向かう。
「わ、わ、わ、、、!待って下さいっ、、!」
声が裏返り慌てふためく姿に、ようやく本来の自然な姿を見た気がした。