愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
文句をつけてくるあいつをひと睨みすると、俯いて黙り込む。
「?、、宜しいですか?では、お待ち下さい。」
注文を取りにきた男が顔を傾げながら、頭を下げ厨房へと帰っていくとこちらをジロリと睨みつけている姿が目に入る。
「山下仁さん、、、私残すの嫌いなんです。どうしたらいいんですかっ、、。」
「食えばいいだろ。てかそのフルネーム止めろ。もう山下でもないしな。」
その言葉に驚いた表情を浮かべる。
「名前で呼んでもいいんですか、、?」
「夫婦になったんだから、、、、好きに呼べよ、真澄。」
初めて女の名前を呼ぶと一瞬驚いた表情を見せ、それから嬉しそうに柔らかく笑った。
「名前、、覚えていたんですね。仁さん?」