愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
暫く無言で顔を背けていた彼だったが、戸棚からフライパンを取り出しこちらに差し出してくる。
「、、、デカイフライパン持てるのか?手首がおれるんじゃないか?」
「また馬鹿にしてー!!、、、ふふっ、軽いフライパン買いましたから大丈夫ですよ。ほら、仁さん手伝って下さい?」
冷蔵庫から食材を取り出し、2人で肩を並べてキッチンに立つ。
脚立に乗っても彼よりも少し小さい。
そんな彼の横でチキンライスを作っていく。
両手でフライパンをゆすり卵で包む。
仕上がりは完璧で、隣の彼に視線を向けてドヤ顔でピースすると呆れたように優しく笑ってくれた。
そんな彼の表情にドキドキが止まらなかった。