愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
あの時のように店を出たら直ぐに手を離されると思っていたのに、繋がれた手は離れない。
変にリアクションすると、手が離れてしまいそうでずっと下を向いて歩いた。
そして小さく呟く。
「、、、今日は本当にありがとうございました。仁さんのお蔭で助かりました。嘘をつかせてしまってすみませんでした、、。お詫びと言ってはなんですが、、今日は私がご飯作りますよ?何が、、食べたいですか?」
最後の方は、ワザと明るく笑いかけた。
「じゃあ卵料理が食いたい。オムライス以外も得意なんだろ?」
「はいっ!お任せください。今日は卵料理パーティーにしちゃいますから期待してて下さいね?」
手は繋がれたまま、車へと歩く。
車が見えて来て、心の中で思った。
もっと、、、遠くの所に止まっていれば良かったって。