橘課長は秘密のフィアンセ
オフィスのバレンタイン
「課長~♪チョコどうぞ♡」
今日はバレンタイン。
うちの部署の橘課長のところには、朝から何人も女子社員がやって来てはチョコを置いていく。
課長のデスクの横には、本命チョコや義理チョコが沢山入った紙袋が置かれている。
橘課長、私の彼でありフィアンセ。
クールでイケメン、仕事も出来るし、とにかくモテる。
穏やかなオフィスライフを過ごしたいから、課長と私が付き合っていることは、会社では秘密にしてもらっている。
さて、うちの部署の女子みんなからの義理チョコを、男性社員に配るのは、今年は私の当番だ。
「いつもお世話になっております。」
そんな言葉とともに、
一人一人に渡して行く。
「森田さん、ありがとう。」
「おっ、今年は美樹ちゃんからもらえるのか。嬉しいねぇ。」
チョコを配るたびに、男性社員からお礼の言葉をかけられる。
課長のところに来たら、
「ありがとう。」と言われた後に、
「美樹からの本命チョコはないのか?」と、さらりと問いかけられた。
少しニヤリとしながら。
苗字じゃなく下の名前を呼びましたね。しかも他の社員に聞こえるように。
オフィスの視線が一気に、二人に集中したのを感じた。
課長の目を無言で見つめる。
そして、
「ありますよ。今、お渡ししましょうか?」
にっこり微笑みながら、言葉を返す。
課長のクールな表情が一瞬くずれ、お互い見つめあった。
爽やかな顔が嬉しそうな笑顔になって、
「いや、家に帰ってからもらう。」
「わかりました。早く帰って来てくださいね。」
「ああ、なるべく早く帰る。」
いつもの顔に戻ってクールな声で、そう言った。
今日はバレンタイン。
うちの部署の橘課長のところには、朝から何人も女子社員がやって来てはチョコを置いていく。
課長のデスクの横には、本命チョコや義理チョコが沢山入った紙袋が置かれている。
橘課長、私の彼でありフィアンセ。
クールでイケメン、仕事も出来るし、とにかくモテる。
穏やかなオフィスライフを過ごしたいから、課長と私が付き合っていることは、会社では秘密にしてもらっている。
さて、うちの部署の女子みんなからの義理チョコを、男性社員に配るのは、今年は私の当番だ。
「いつもお世話になっております。」
そんな言葉とともに、
一人一人に渡して行く。
「森田さん、ありがとう。」
「おっ、今年は美樹ちゃんからもらえるのか。嬉しいねぇ。」
チョコを配るたびに、男性社員からお礼の言葉をかけられる。
課長のところに来たら、
「ありがとう。」と言われた後に、
「美樹からの本命チョコはないのか?」と、さらりと問いかけられた。
少しニヤリとしながら。
苗字じゃなく下の名前を呼びましたね。しかも他の社員に聞こえるように。
オフィスの視線が一気に、二人に集中したのを感じた。
課長の目を無言で見つめる。
そして、
「ありますよ。今、お渡ししましょうか?」
にっこり微笑みながら、言葉を返す。
課長のクールな表情が一瞬くずれ、お互い見つめあった。
爽やかな顔が嬉しそうな笑顔になって、
「いや、家に帰ってからもらう。」
「わかりました。早く帰って来てくださいね。」
「ああ、なるべく早く帰る。」
いつもの顔に戻ってクールな声で、そう言った。