いつも貴方は側にいて…
「予定って?」
もう一度、確かめてみる。すると、神崎は葵へと進言した。
「専務のデスクの引き出しに入っているチョコを、私に渡してくれるご予定があったのではないかと…」
葵の心臓が跳ね上がる。優秀な秘書は何でもお見通しだった。
葵は引き出しからチョコを取り出し、神崎に向き直った。
「出逢った時からずっと好きだったの…」
「僭越ながら、私もです…」
チョコを受け取ってくれた神崎は顔を赤らめて、はにかんだ笑顔を初めて葵に見せてくれた。
[ 完 ]