【桃・超短編】頑張れ、赤面症
バレンタインデーなのだ(*>  <*)
「君は俺にはくれないんだ」
本命のヤツは、と

私はのぞみ。
懲戒免職との崖っぷち中で……
空調がポンコツな安物件の
小さな社内で配るバレンタインデーの義理チョコ担当になってしまった為、女子社員から集金していた。

そしたら、才女のもりさん・よしさん・みたさん・おおさん・おもさんをはべらしている、そら君に言われた。
そら君は一番社内・外でモテる成績優秀で、色っぽい社員だ。

『読まれたのか?なにか』
と、私は焦った。



私は赤面症。そして色々した事が経験値0の為、特にモテる人々達と会話する事が、とても下手くそだ。

だから少しでも照れる内容に、夢みない様にと、精神状態をコントロール中で

そら君の顔をなるたけ見ず、どきどきする鼓動を必死で努力する。
そして、何となくのノリで後ずさりしながら、二階のフロアの端っこの、空間の一階に下りる為の階段に、足を進め、

階段を一段踏み外してしまった(>_<)

バカかお前?
って言われた。
「下手したら死んでる」
そんなに嫌なら俺のチョコも義理でいい
甘い表情を強張らせふぃと去った。

死ぬかと思い怖かった。
階段を滑らせた私の体のも
義理チョコでいいと言われた心も

直に忘れる。死にかけた経験は……
でも痛かったのは「義理チョコ」の方だ。
きっと

どうしよう。この痛み
バレンタインは迫ってる。



(了)
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