リリーと月の魔法
『さぁ!次は大切な杖を買いに行こう!』
みずは宙返りをして楽しそうにリリーに
言った
『杖か!魔法使いらしいわね!』
『リリー君は魔法使いさ!』
『…んで、杖屋さんはどこ?』
リリーはみずの案内で杖屋さんに入った
今にも壊れてしまいそうな古びた
杖屋さんだった
『あのー、すみません…
杖を買いに来ました』
お店の中は暗くとても静かで不気味な雰囲気だった。
まるでお化け屋敷の中にいるかのように。
すると、上の方から枯れた声が聞こえた
『おお、少し待たれよ、今手が離せない』
高く高く積み上げられた本の上に
背の小さいおじさんが何かを探してるところだった。
リリーは待ってる間にお店の中をぐるぐると歩き回っていた
見たことない本そして、数えきれない杖の数
リリーは目をキラキラさせていた。
『おまたせ』
『そんなに待ってないです。』
『それならよかった、杖が欲しいのじゃね』
『あ、はい!杖を買いに来ました!』
『元気でよろしい、名はなんという』
『リリーです、こっちは妖精のみず』
『リリー…ということは、ソフィーの娘じゃね?』
『母を知ってるんですか?』
『あぁ…優しくて勇気溢れる優秀な魔女だった、しかしあのようなことがあってはな…』
『あのようなこと?』
『いやいや、なんでもないリリーおかえりよく帰って来た、さぁ!杖を選ぼう』
『杖なんでもいいんですけど、見た目が可愛ければ…』
『何を言う!杖は大切なパートナーじゃ相性の良い杖をわしが見つけてあげよう』
そう言うと山ほどある杖の中から2本杖を持ってきた
『さぁ、これを持たれよ』
リリーに杖を渡し
杖から激しい電流が流れ
リリーが杖を床に落としてしまった。
『痛い!なんかビリってきました』
『合わんようだな、ほれこっちは』
もう一本の杖からは
もこもこと雲が出てきて、店の中を雨と雷雨でめちゃくちゃになった。
『いかん!これも合わん!』
リリーは疲れ切って座り込んでしまった。
『もしかするとリリーにはこれが合うのでは…』
杖屋さんがもう一本杖を持ってきた