わたしのブーケガルニ
■ 体がフランスパン化する季節が今年もやってきた
ついこの間まで、うだるような暑さだったのに、あっという間に肌寒い季節へとうつっていく。
この時期になると、私は身構える。
今年もこの季節がやってきた……。
でも、今年は決意した。
「今年こそは、フランスパン化しない!」
ここ数年、私は深刻なフランスパン化に悩まされている。
独身時代はそうでもなかったのだが、結婚してから発症した。
子どもが生まれてからはますます悪化。
最近は、もう諦めの境地だ。
何もしない自然な状態だとかなり危険で、苦痛が増すばかりだ。
マメに手を打たねばならないと、医者にも言われている。
完治はまず無理なので、悪化しないようにするだけだが、
自分のためだけではなく、家族のためにもどうにかしないといけない。
このフランスパン化は、完全に遺伝だ。
私の母も昔からひどい。
正月など冬に帰った時にみると、今も苦しんでいる。
父や弟たちは大丈夫なので、女性がなりやすいもののようだ。
昔、弟が小さい時に何気なく言った言葉が忘れられない。
前回、実家に皆が集まったときに、弟にふと聞いてみた。
昔、母に言った一言を覚えている?
しかし、弟は少し考えて、覚えていないと首をふる。
そうか。
あまりに幼かったから覚えていないのか、
弟にとっては些細なことだったのか。
母も弟が覚えていないことを残念がった。
「本当に覚えていないの? 『お母さんの足の裏はフランスパン』って言ったこと」
当時、あまりにも的確な比喩でかなり衝撃を受けた。
正確には『かかと』なのだが、母の足の裏は、パリパリのフランスパンのようにひび割れていた。
弟は母のかかとをみて、何かに似ているなぁ。
あっ、フランスパンだ! といった感じで思いついたのだろう。
子どもの感性は豊かだ。
母と私は、大爆笑をしたのを覚えている。
でも、今は笑い事ではない。
私も少し足の裏がフランスパンのようにガチガチになっている。
私は、足よりも手の方がひどい。
結婚してから、それまでほとんどやってこなかった家事を始めたのが原因だと思う。
とにかく家事は水を使うものが多い。
洗濯は濡れた衣類などを干す。冷たく濡れた洗濯物は手に負担を与える。
乾いた洗濯物を畳む。冬場のパリパリに乾いた洗濯物は手の水分を奪う。
料理は特に水をよく使う。
まず、米研ぎで手が濡れる。
食材を洗うときに濡れる。
魚や肉を扱うと、何回も手を洗う。
そして、食器洗い。洗剤とお湯で手の油分も一緒に洗い流される。
掃除の時の雑巾絞りや子どものオムツ交換の時にも手をごしごし洗う。
手荒れ要素満載だ。
この季節になると、まず指先がカサカサしてくる。
まだこの辺りでは、ソフトフランスパン程度だ。
そのまま放置すると、
指全体に縦じわが現れる。
手のひらも、ちりめんじわの様な細かい手荒れをしてきて、限界値を越えると、ぱっくりいく。
手のひらばかり注目していると、痛い目にあう。
爪もマメに切ってあげないと、爪の角辺りの皮膚が固くなって、ぱっくりいく。
前の冬は、一体何枚の絆創膏にお世話になったかわからない。
もちろんハンドクリームにも助けてもらっているが、どうもベタベタが気になる。
ベタベタしないものも売られているが、やはり効果が低い。
最近だとスマホをよく触るので、クリームはつけたくない。
画面が大変なことになるからだ。
料理前にはつけられないので、その後つけるのを忘れてしまう。
そんなこんなで、ハンドケアをおろそかにしてしまっている。
自業自得だ。
今までは、このフランスパン化は春になるともとに戻っていた。
しかし、ここ数年、夏近くになっても治らなくなってしまった。
もうどうしようもなく、専門家の助けを借りようと皮膚科を受診したことがある。
きっとよい手があるにちがいない。
しかし、期待は裏切られ、ステロイドとハンドクリームを処方されただけだった。
やはり、マメにハンドクリームを塗るしかないようだ。
先生に、女性ホルモンは年々減っていくのだから、マメにハンドクリームを塗るしかないとまで言われた。
世の女性は、私の様に手がガサガサにはならないのだろうかと不思議に思う。
みな、見えないところでせっせとハンドケアをしているのだろうか。
同居している義母はフランスパン化とは無縁の人だ。
手を握ると、信じられないくらいに潤いを保っている。
二回り上の年齢とは思えないくらいの潤いだ。
まるで、大福のようだ。もちもちしている。
ハンドケアの方法を教わったが、特に特別なことはしていない。
寝る前にハンドクリームを塗るだけだそうだ。
何ともうらやましい。
現在2歳の娘は、今の所ゆで卵の様な肌をしている。
しかし、大人になったら私の様にフランスパン化する可能性は高い。
それまでに、いい方法をみつけてあげたいものだ。
今年の冬の目標は、指先がぱっくり裂けるのを阻止すること。
手タレを目指すくらいの勢いで取り組もう。
この時期になると、私は身構える。
今年もこの季節がやってきた……。
でも、今年は決意した。
「今年こそは、フランスパン化しない!」
ここ数年、私は深刻なフランスパン化に悩まされている。
独身時代はそうでもなかったのだが、結婚してから発症した。
子どもが生まれてからはますます悪化。
最近は、もう諦めの境地だ。
何もしない自然な状態だとかなり危険で、苦痛が増すばかりだ。
マメに手を打たねばならないと、医者にも言われている。
完治はまず無理なので、悪化しないようにするだけだが、
自分のためだけではなく、家族のためにもどうにかしないといけない。
このフランスパン化は、完全に遺伝だ。
私の母も昔からひどい。
正月など冬に帰った時にみると、今も苦しんでいる。
父や弟たちは大丈夫なので、女性がなりやすいもののようだ。
昔、弟が小さい時に何気なく言った言葉が忘れられない。
前回、実家に皆が集まったときに、弟にふと聞いてみた。
昔、母に言った一言を覚えている?
しかし、弟は少し考えて、覚えていないと首をふる。
そうか。
あまりに幼かったから覚えていないのか、
弟にとっては些細なことだったのか。
母も弟が覚えていないことを残念がった。
「本当に覚えていないの? 『お母さんの足の裏はフランスパン』って言ったこと」
当時、あまりにも的確な比喩でかなり衝撃を受けた。
正確には『かかと』なのだが、母の足の裏は、パリパリのフランスパンのようにひび割れていた。
弟は母のかかとをみて、何かに似ているなぁ。
あっ、フランスパンだ! といった感じで思いついたのだろう。
子どもの感性は豊かだ。
母と私は、大爆笑をしたのを覚えている。
でも、今は笑い事ではない。
私も少し足の裏がフランスパンのようにガチガチになっている。
私は、足よりも手の方がひどい。
結婚してから、それまでほとんどやってこなかった家事を始めたのが原因だと思う。
とにかく家事は水を使うものが多い。
洗濯は濡れた衣類などを干す。冷たく濡れた洗濯物は手に負担を与える。
乾いた洗濯物を畳む。冬場のパリパリに乾いた洗濯物は手の水分を奪う。
料理は特に水をよく使う。
まず、米研ぎで手が濡れる。
食材を洗うときに濡れる。
魚や肉を扱うと、何回も手を洗う。
そして、食器洗い。洗剤とお湯で手の油分も一緒に洗い流される。
掃除の時の雑巾絞りや子どものオムツ交換の時にも手をごしごし洗う。
手荒れ要素満載だ。
この季節になると、まず指先がカサカサしてくる。
まだこの辺りでは、ソフトフランスパン程度だ。
そのまま放置すると、
指全体に縦じわが現れる。
手のひらも、ちりめんじわの様な細かい手荒れをしてきて、限界値を越えると、ぱっくりいく。
手のひらばかり注目していると、痛い目にあう。
爪もマメに切ってあげないと、爪の角辺りの皮膚が固くなって、ぱっくりいく。
前の冬は、一体何枚の絆創膏にお世話になったかわからない。
もちろんハンドクリームにも助けてもらっているが、どうもベタベタが気になる。
ベタベタしないものも売られているが、やはり効果が低い。
最近だとスマホをよく触るので、クリームはつけたくない。
画面が大変なことになるからだ。
料理前にはつけられないので、その後つけるのを忘れてしまう。
そんなこんなで、ハンドケアをおろそかにしてしまっている。
自業自得だ。
今までは、このフランスパン化は春になるともとに戻っていた。
しかし、ここ数年、夏近くになっても治らなくなってしまった。
もうどうしようもなく、専門家の助けを借りようと皮膚科を受診したことがある。
きっとよい手があるにちがいない。
しかし、期待は裏切られ、ステロイドとハンドクリームを処方されただけだった。
やはり、マメにハンドクリームを塗るしかないようだ。
先生に、女性ホルモンは年々減っていくのだから、マメにハンドクリームを塗るしかないとまで言われた。
世の女性は、私の様に手がガサガサにはならないのだろうかと不思議に思う。
みな、見えないところでせっせとハンドケアをしているのだろうか。
同居している義母はフランスパン化とは無縁の人だ。
手を握ると、信じられないくらいに潤いを保っている。
二回り上の年齢とは思えないくらいの潤いだ。
まるで、大福のようだ。もちもちしている。
ハンドケアの方法を教わったが、特に特別なことはしていない。
寝る前にハンドクリームを塗るだけだそうだ。
何ともうらやましい。
現在2歳の娘は、今の所ゆで卵の様な肌をしている。
しかし、大人になったら私の様にフランスパン化する可能性は高い。
それまでに、いい方法をみつけてあげたいものだ。
今年の冬の目標は、指先がぱっくり裂けるのを阻止すること。
手タレを目指すくらいの勢いで取り組もう。