すきだってこと、しらないでしょ。
「帰るよ」


『え、ちょっ、雅…?!』


そこに雅がいるんだから
女の人はみんな、黄色い歓声を上げて


あたしもこの状況を理解できてない


だけど、掴まれる腕にただ従うしかなくて






「ふふ、せいこーう」
「いやー俺のお陰でもあるでしょ」


出て行くあたしと雅の背中を見送ったそのあとで、
ふーちゃんと柊さんがそんな言葉を落としていたことなんて、もちろん気づかないまま


< 122 / 135 >

この作品をシェア

pagetop