素直になれない、金曜日
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委員会が行われた水曜日の翌々日、金曜日の放課後。
図書室のカウンターで砂川くんと黙々と作業をしていた。
今日の作業は主に、栞の整理。
書店に並んでいる文庫本には、紙の栞が挟まっている。
だけど学校の図書館で貸し出しする本には その栞は不要だから、新刊が入ってくる度に挟まっている栞を取り除いて整理するという作業が必要で、今はその真っ最中。
「……」
あまりにも地味で地道な作業に、今日も相変わらずふたりきりの図書室はしんと静まり返る。
入ってきた新刊の量が思いのほか多くて、終わりが見えないせいか睡魔が襲いかかってきた。
ふわ、と思わず零れそうになった欠伸をこらえて、気分転換にと目の前に転がっていたシャーペンを手に取った。
かちかちと芯を出して、その先端で左手の甲をつん、とつつく。
その場所からじわりと広がった鋭い痛みに、少しだけ目が冴えた。
「……よしっ」
小さく呟いて、気合いを入れ直す。
作業に戻ろうとふと視線を動かすと、何気なく目に入ってきたのは、仕分けしているケースからひとつだけ零れ落ちた不要の紙の栞。
何を思ったわけでもないのに、気づいたら衝動的にそれを自分の元へ手繰り寄せていた。
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委員会が行われた水曜日の翌々日、金曜日の放課後。
図書室のカウンターで砂川くんと黙々と作業をしていた。
今日の作業は主に、栞の整理。
書店に並んでいる文庫本には、紙の栞が挟まっている。
だけど学校の図書館で貸し出しする本には その栞は不要だから、新刊が入ってくる度に挟まっている栞を取り除いて整理するという作業が必要で、今はその真っ最中。
「……」
あまりにも地味で地道な作業に、今日も相変わらずふたりきりの図書室はしんと静まり返る。
入ってきた新刊の量が思いのほか多くて、終わりが見えないせいか睡魔が襲いかかってきた。
ふわ、と思わず零れそうになった欠伸をこらえて、気分転換にと目の前に転がっていたシャーペンを手に取った。
かちかちと芯を出して、その先端で左手の甲をつん、とつつく。
その場所からじわりと広がった鋭い痛みに、少しだけ目が冴えた。
「……よしっ」
小さく呟いて、気合いを入れ直す。
作業に戻ろうとふと視線を動かすと、何気なく目に入ってきたのは、仕分けしているケースからひとつだけ零れ落ちた不要の紙の栞。
何を思ったわけでもないのに、気づいたら衝動的にそれを自分の元へ手繰り寄せていた。