素直になれない、金曜日
想いの熱は、はかれない
.
.
「……おかしいな」
ぽつりと呟く。
あれから一週間ほど経った、平日の放課後。
いつも待ち合わせている昇降口のところで、砂川くんを待っているんだけど、待てど暮らせどいっこうに砂川くんが姿を見せない。
先生になにか頼まれごとでもされているのかな。
でも、いつもはそういうとき、何らかしらの形で連絡をくれるのに。
どうしたんだろう、と思っているとタイミングを見計らったようにポケットの中でケータイが震えた。
……着信だ。
相手の名前もよく確認しないまま、タップしてケータイを耳に当てる。
「もしもし……?」
私に電話をかけてくるような人なんて、限られている。
おそらくお母さんか恭ちゃんだろうとたかをくくっていると。
『桜庭さん……?俺、だけど』
心構えのないまま、急に耳に注ぎ込まれた砂川くんの声に吃驚して反射的に耳からケータイを離した。
な、なんで、砂川くんが……?
たしかに、この前連絡先は交換してあったものの。
電話なんてかかってきたこともなかったし、かかってくることがあるなんて思ってもいなかった。
まさか、幻聴……?
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「……おかしいな」
ぽつりと呟く。
あれから一週間ほど経った、平日の放課後。
いつも待ち合わせている昇降口のところで、砂川くんを待っているんだけど、待てど暮らせどいっこうに砂川くんが姿を見せない。
先生になにか頼まれごとでもされているのかな。
でも、いつもはそういうとき、何らかしらの形で連絡をくれるのに。
どうしたんだろう、と思っているとタイミングを見計らったようにポケットの中でケータイが震えた。
……着信だ。
相手の名前もよく確認しないまま、タップしてケータイを耳に当てる。
「もしもし……?」
私に電話をかけてくるような人なんて、限られている。
おそらくお母さんか恭ちゃんだろうとたかをくくっていると。
『桜庭さん……?俺、だけど』
心構えのないまま、急に耳に注ぎ込まれた砂川くんの声に吃驚して反射的に耳からケータイを離した。
な、なんで、砂川くんが……?
たしかに、この前連絡先は交換してあったものの。
電話なんてかかってきたこともなかったし、かかってくることがあるなんて思ってもいなかった。
まさか、幻聴……?