素直になれない、金曜日
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────ピーンポーン
住宅地の真ん中あたりにある、クリーム色の壁の小綺麗な一軒家。
方向音痴がゆえに心配だったけれど、表札には “砂川” とあるし、ここで間違いないだろう。
インターホンを鳴らすと、少しの間があって鍵がガチャリと開く音がした。
「ありがと、来てくれて」
ドアが開いて、顔を覗かせたのは砂川くんで。
「あの、要るかなって思って、いろいろ買ってきたんだけど……。薬はあるって言ってたからそれ以外」
手に下げていたビニール袋を軽く持ち上げる。
実は、ここに来る途中スーパーに寄ってきたんだ。
ご両親は家にいないって言ってたし、いろいろ足りないんじゃないかなって思って。
袋の中には、スポーツドリンクに冷却シート、りんごなんかの食べやすそうなフルーツに、それから砂川くんは甘いものが好きだと思ったからゼリーも。
ゼリーは葵依ちゃんの分も買ってある。
「まじで?」
袋の中身をちょっと覗いて、目を見開いた砂川くん。
「桜庭さんってほんと……」
なにかを言いかけて、途中で口を噤む。
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────ピーンポーン
住宅地の真ん中あたりにある、クリーム色の壁の小綺麗な一軒家。
方向音痴がゆえに心配だったけれど、表札には “砂川” とあるし、ここで間違いないだろう。
インターホンを鳴らすと、少しの間があって鍵がガチャリと開く音がした。
「ありがと、来てくれて」
ドアが開いて、顔を覗かせたのは砂川くんで。
「あの、要るかなって思って、いろいろ買ってきたんだけど……。薬はあるって言ってたからそれ以外」
手に下げていたビニール袋を軽く持ち上げる。
実は、ここに来る途中スーパーに寄ってきたんだ。
ご両親は家にいないって言ってたし、いろいろ足りないんじゃないかなって思って。
袋の中には、スポーツドリンクに冷却シート、りんごなんかの食べやすそうなフルーツに、それから砂川くんは甘いものが好きだと思ったからゼリーも。
ゼリーは葵依ちゃんの分も買ってある。
「まじで?」
袋の中身をちょっと覗いて、目を見開いた砂川くん。
「桜庭さんってほんと……」
なにかを言いかけて、途中で口を噤む。