素直になれない、金曜日
背も高かったし、随分大人びた顔をしていたから、先輩かもしれない。
そうだったら、私との接点なんてないに等しいなあ。
そんなことをあれこれ考えて、
ちょっぴり切なくなったりして。
……どうして、初めて会っただけの彼にこんなに心をかき乱されているんだろう。
考えたって、結局のところなにもわからないけれど、
「……おやすみ、ダンディー」
あの人にもう一度だけ会いたいって、
心がざわざわしていることだけは確かなんだ。
明かりを消して、眠りにつくまでの少しの間、心の中で呟いた。
今日は、
いつもより少しだけとくべつな月曜日だったなあ、と。
◇