素直になれない、金曜日

膨らんだ風船に囲まれながら、自らも風船を膨らませている委員長先輩が図書室中に呼びかけるも、皆各々の作業が忙しいようで手が離せないようだった。



あ、私が今している作業なら、もうそろそろきりのいいところまで終わるかもしれない。


私が担当している画用紙を下書きの線に沿って切るという単純な作業には、もう終わりが見えていた。



「あの、私あとちょっとで作業終わります」



委員長先輩にそう耳打ちすれば、先輩はぱあっと明るい表情を見せて。



「まじ?超助かる!……てか、毎回買い出し行ってもらってて悪いな」


「大丈夫ですよ」



私がたまたまいつも、都合がいいだけで。

むしろ、買い出しに行くことで役に立てるなら本望だ。



「じゃあ、その作業終わってからでいいから行ってもらえる?」

「はい!」



頷いて返事をすると、少し離れたところで金槌を持って作業していた恭ちゃんが口を挟んでくる。



「ここら辺で、一番近くだったらN高の近くのホームセンターか?」


「そうなるよね」




恭ちゃんの言葉に、委員長先輩も頷いた。

あいにく、この高校の近くには買い出しにちょうどいい店がない。



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