素直になれない、金曜日
ゆらゆらセンチメンタル
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時の流れというのは早い。
気づけばもう、文化祭一週間前だった。
「桜庭さーん!衣装の確認いけるーっ?」
「あっ、うん!今行くね!」
委員会での準備は、もう仕上げに入っていたけれど、クラスの劇はまだまだ制作途中。
衣装係の女の子に隣の空き教室に呼ばれて行くと、完成したばかりの衣装を手渡された。
「サイズとか一応確認したいから、一回試着してもらっていい?」
この前採寸してもらったから、ミスがない限りおそらく大丈夫だろうけど。
頷いて、衣装と共に試着用のカーテンの中に入る。
私の配役は、熱烈な希望が通って女忍者。
どうしてそんなに女忍者の役がやりたかったかというと。
昔から私は何かある度、押し入れに隠れたり、カーテンにくるまったり、机の下に入ったり、ときには家を飛び出したり。
とにかくいつも、隠れてばかりだったんだ。
そんな私を見つけるのは、いつも恭ちゃんの仕事だった。
そんな恭ちゃんが私に昔つけたあだ名が “忍者” 。
それで、忍者に少し愛着が湧いているんだ。
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時の流れというのは早い。
気づけばもう、文化祭一週間前だった。
「桜庭さーん!衣装の確認いけるーっ?」
「あっ、うん!今行くね!」
委員会での準備は、もう仕上げに入っていたけれど、クラスの劇はまだまだ制作途中。
衣装係の女の子に隣の空き教室に呼ばれて行くと、完成したばかりの衣装を手渡された。
「サイズとか一応確認したいから、一回試着してもらっていい?」
この前採寸してもらったから、ミスがない限りおそらく大丈夫だろうけど。
頷いて、衣装と共に試着用のカーテンの中に入る。
私の配役は、熱烈な希望が通って女忍者。
どうしてそんなに女忍者の役がやりたかったかというと。
昔から私は何かある度、押し入れに隠れたり、カーテンにくるまったり、机の下に入ったり、ときには家を飛び出したり。
とにかくいつも、隠れてばかりだったんだ。
そんな私を見つけるのは、いつも恭ちゃんの仕事だった。
そんな恭ちゃんが私に昔つけたあだ名が “忍者” 。
それで、忍者に少し愛着が湧いているんだ。