素直になれない、金曜日
「私も適当にいい感じの男子誘って一緒にまわろっかなあ。ひよは?」
「えっ?」
わ、私?
いきなり由良ちゃんに話を振られて、目を白黒させていると由良ちゃんが再度口を開く。
「一日目。砂川とまわったりしないの?」
首をこてん、と傾げた由良ちゃん。
砂川くんと……?
「ええっ?! し、しないよ……!」
慌てて首を横に振ると、心外と言わんばかりに由良ちゃんは言葉を重ねる。
「でも、好きなんでしょ?」
「だ、だって、もう……嫌われてるかもしれないし」
私が砂川くんのことを好きだっていうことは、皆知っている。
……というか、言うまでもなくばればれだった。ちょっと恥ずかしい。
「んー、ひよはもっと自信持ってもいいと思うんだけど」
由良ちゃんが考え込むような仕草をしながら言う。
その言葉に私がきょとんとすると。
「私、砂川と同中だったんだよね」
いきなり由良ちゃんが衝撃告白を始めた。
周りの皆は知っていたみたいであまり動揺していないけれど、少なくとも私にとっては衝撃事実だった。